2017年8月4日金曜日

胸痛のチェックポイント

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

8月に入り、厳しい暑さが続いていますね。室内と屋外の温度差で疲れがでやすい時期です。
バランスのよい食事としっかりとした休息をとり、この夏を乗り切りましょう。

今日は胸の痛みについてお話します。

胸の痛みは日常の診療の中でも訴えの多いものの一つです。
胸部には心臓や肺だけでなく心臓から出て行く大動脈、食道、さらに肋骨や肋間神経、筋肉などが含まれるために、一口に胸痛といっても原因はさまざまです。



胸痛の5つの症状


胸の痛みの原因を知るためには、下記の各項目に従って、症状を正確に分けて伝えることが重要です。

1.どのような痛みか
刺すような痛み/鈍い痛み/圧迫されるような痛み/締め付けるような痛み

2.どこが痛いか
左胸部/前胸部/背部/首や肩に放散/局所的

3.どのくらい持続しているか
瞬間的/数分/数時間かそれ以上

4.どのような時に痛むか
動いた時/安静時/体位を変えた時/呼吸との関係/食事との関係

5.他の症状
呼吸困難/発熱/冷汗/吐き気/おう吐

胸痛を伴う代表的な病気と特徴

心臓や血管の病気

1.狭心症 
・労作時、胸部中央から左側にかけて締め付けられるような痛みや圧迫感
・数分で消失
・時に首や肩などにも広がるような痛み(放散痛)や上腹部の痛みなどの症状が生じる

2.急性心筋梗塞
・急な胸部の激痛(30分~数時間続く)
・血圧低下、顔面蒼白、吐き気、冷や汗、呼吸困難などの症状が現れる

3.大動脈解離
・急な胸部の激痛(引き裂かれるような激しい痛み)
・背中から腰にかけた痛み
・けいれん、足の痛み、腹痛、失神や意識障害などの症状が現れる

肺や胸膜の病気

1.気胸
・やせ型の若い男性に多く発症 
・突然の胸痛と息苦しさを自覚
・深呼吸により痛みは増強し、継続

2.肺炎
・炎症が肺を包む胸膜にまで及ぶと、強い胸の痛みを感じるようになる
・体力が落ちている人や、免疫力の弱いお年寄りに二次感染症として多くみられる

3.急性肺血栓塞栓症
・長時間同じ姿勢で座っていたりして、足や骨盤内の静脈に血栓(血液の塊)ができて、
 肺の血管を塞ぐことによって起こる
・症状として、急激な呼吸困難、胸痛、咳、血たんなどが現れる
・血圧低下によるショック状態になり、突然死することもある 

神経・筋肉・骨の病気

1.肋骨骨折
・安静時には鈍い痛みを認め、体位変換、深呼吸や咳、押した時に痛みが増強

2.帯状疱疹
・激しい痛みをともなう小さな水ぶくれが体の片側の胸部の肋間神経に沿って現れる
・お年寄りや疲れが溜まっている人など、体の免疫力が落ちてきたときに発症しやすい 

3.肋間神経痛
・肋間神経(肋骨に沿って走行する神経)が何らかの原因で障害されて生じる突発的な痛
 みのこと
・痛みは片側性で強く、深呼吸や咳や体位の変化でも増強することがある 


原因が良く分からず胸が痛い症状が出ている場合は、その程度に関わらず重大な病気の可能性があります。

そのため、胸が痛い病気は早期発見・早期治療がとても重要になります。

胸が痛い場合は、可能な限り早く病院で診察してもらいましょう!

胸が痛い症状が出ている場合、最初に受診するのは、循環器科や呼吸器科を受診するのをお勧めします。

これは、心臓や肺にまず異常がないか、痛みの原因を見極める必要があるためです。
その際は「痛みの部位」、「どのような痛みか」、「発症時期」、「持続時間」、「発熱」などの症状を説明できるようにしておきましょう。

病気を診断する上でのポイントになりますので、あらかじめ自分自身の状態を把握しておく事が何より大事です。



先週、新居浜の花火を見に行きました。

暑くても毎年見たくなりますね。

今日も一生健命  竹田